Ua値とは、外皮平均熱貫流率と言います。
1999年の次世代省エネ基準から採用された家の断熱性能を示す数値で、計算式は以下のようになります。
建物が損失する熱量の合計[W/K]とは、この図のように
A:屋根(天井)から損失する熱量
B:壁から損失する熱量
C:床から損失する熱量
D:開口から損失する熱量
E:基礎の立上り から損失する熱量
各部位から損失された熱量の合計です。
その合計を外皮面積つまり、屋外と接している部分の総面積で割った値がUa値となるのです。
Q値とは、熱損失係数と言います。
Ua値が1999年に採用される以前に使われていた家の断熱性能を示す数値で、計算式は以下のようになります。
建物から逃げる熱量の合計[W/K]とは、この図のように
(1)屋根(天井)から逃げる熱量
(2)換気から逃げる熱量
(3)外壁・隙間・土台から逃げる熱量
(4)床・土間床(外周・中央部)から逃げる熱量
(5)開口から逃げる熱量
各部位から逃げた熱量の合計です。
その合計を延べ床面積(吹抜け含む)で割った値がQ値となるのです。
比較してわかる違い
Ua値の建物が損失する熱量と、Q値の建物から逃げる熱量は、同じようですが大きな違いがあります。
Q値では、換気から逃げる熱量が検討されますが、Ua値では検討されません。
換気扇を設置する事は、シックハウスの関係で2003年の法改正で義務化されました。
新築住宅を造る時には必ず設置され、24時間常に作動していなければなりません。
24時間換気扇は、1時間に家全体の半分の空気を入れ替える計算で設置されます。
冬であれば、温めた空気を2時間で総入れ替えしなければならないという事。
凄い量ですね。
現実には、換気扇を停止している人、微風にしている人も多いのでそこまで逃げていないと思いますが・・・
この損失で家の温かさは変わってしまいますよね。
弊社では、全熱交換換気システムを採用しています。
興味のある方は、以前書いたブログ
をご覧ください。
もう一つ違いは、計算式の分母が、外皮面積と延床面積の違いです。
同じ床面積の『複雑な形状をした平屋』と『シンプルな総2階建ての家』を外皮面積で割ると、同じような数値がでます。
しかし、延床面積で割ると差が出ます。どちらが高い性能だと思いますか?
答えは、『シンプルな総2階建ての家』です。
つまり、Ua値は形状が複雑である事で熱が逃げてしまう量が増える事を示す事ができないのです。
Ua値とQ値はどちらが良いのか?
前述の内容を考えると、Ua値がダメでQ値が良いという印象を与えてしまったかもしれません。
しかし、私はどちらが優位であるという事では無いように思います。
Ua値とQ値の特徴と違いを理解している事が重要なのではないと考えるからです。
現在、断熱性能の高い家を求める声は年々増え続けています。Ua値をご存じの方もかなり増えてきました。
そこで、このブログを読んでいただいた方に知って欲しい事があります。
断熱性能をUa値だけで、Q値だけで判断しても本当に【夏涼しく冬温かい家】にはなりません。
考えて欲しい太陽との付き合い方
Ua値やQ値の示す値が良いに越したことはありませんが、太陽と上手に付き合う事が出来ると、本当に【夏涼しく冬温かい家】となります。
以前ブログで書いた
をご覧ください。
家族のしあわせを育む家づくりの為に
家づくり舎ファミリーでは、Ua値=0.3W/㎡・K以下の性能を基本としていますが、それは全体のバランスを考えた結果です。
性能が高い=良い家
ではなく、
家族にとって最良=良い家
弊社の家づくりに興味をお持ちいただけましたら、しあわせを育む家づくりセミナーへご参加ください。
なぜ?
にお答えします。