弊社の事務所は、埼玉県越谷市平方の県道80号線(野田岩槻線)沿いにあります。
ご来場いただいても、新築で建てたようにしか見えないのですが、築25年の建物を改修しています。
物件との出会い
最初の出会いは、ネット検索でした。
確か1200万円で出ており凄く安いわけではありませんが、
現地を見た瞬間に『ここで、仕事をするんだ』という強い想いが湧き上がってきました。
先行投資の関係で、新築を建てるのは難しく中古物件を探していましたが、大きすぎたり複雑な形状だったり、土地の形状がわるかったり、やたらと高かったりでしたが、土地の大きさ、道路との関係、程よい大きさの古家 と私には1200万円でも欲しいと感じました。
しかし、問い合わせて話を聞いてみると 差押え物件で競売にかけられる予定も決まっているとの事で、結局は競売での勝負となりました。
結果!無事購入し、落札価格が900万円で買うことがでたのですが、
しかし、この差額分に負けないくらいの出費が待っていました。
中にあるゴミの処分で約100万円!躯体が悪く工事費が150万円程度アップ
中に残留物がある事はしっていましたが、想定以上の量で 冷蔵庫が3台・とっても大きなカラオケ機器・食器・座布団等々 凄まじい量でした。
それを処分するのに約100万円かかってしまった~ 見込みで50万円くらいは覚悟していたのですが、それ以上でしたね。
仕方ないね~なんて思いながら、解体が始まりました。
実はフルに解体するよりも、躯体を残して部分解体する方が、費用はかかるんです。
理由は、大きな重機が使えないことと、残す部分を傷めないようにするため、手間がかかるからです。
でも ここは、想定内でした。
しかし、躯体が酷かった。
柱はパラペット形状を支えるために負担がかかれ弓なりし、筋交いは不思議な施工をされていて、アンカーボルトはしっかりと止まっていない、野地板は薄く、垂木も細く、母屋も細く、小屋束も少ない、梁も細い、火打ち金物が足りない、柱脚金物な足りない・・・
多くの部分を組み変え、補強し、調整したので想定で150万円くらいかかったと考えられます。
改めて、既存建物の程度で改修工事費用は大きく変わる とい事です。
家づくり舎ファミリーの基本仕様と同等の性能を求めた断熱改修
事務所を持とうと思った理由は、いつでも弊社の基本仕様を体感してもらう為でもありますので、限りなく同等を求めました。
屋根断熱が高さの関係もあり少し性能が下がり、基礎が低いため床断熱での施工となった事もあり、Ua値=0.34と少し下がりましたが、十分な体感になると考え、仕様を決めました。
サッシは、基本的に樹脂製を提案しているのですが、事務所がすべて木製トリプルガラスサッシなんです。
いつもお世話になっている問屋さんより在庫を安く提供してくれるという事での採用となりました。
ですので、あまりやりませんが、窓の形状が決まった状況で間取りに当てはめ配置の検討を行いました。
基礎の高さが低く、アプローチで高低差も解消する事が難しいため、基礎断熱はあきらめ床断熱としました。
あまり、戸建てでは使われない、パーチクルボードを使った置床工法で床組みをし、その上の根太間で断熱しています。
(基礎断熱ではないとは言いましたが、立ち上がりには基礎内に断熱材を入れています)
壁は、耐震性の補強も兼ねて耐力面材(モイスTM)を施工し、内側から高性能グラスウール16K(太陽SUN)105mmを充填。
調湿気密シートと気密テープ、電気のCD管と気密カバー等、新築工事をまったく同じ施工方法で進めます。
外壁には、EPS50mmの付加断熱による乾式左官工法です。
仕上げは自然素材で!
床材は、無垢パイン材を貼ります。 床は、材種に関係なく無垢のものを推奨しています。(推奨ですが、絶対です)
仕上げには、自然塗料を塗ります。通常は、塗装屋さんに依頼していますが、時期とコストの関係で私が12月末に夜な夜な作業しました。
壁は、珪藻土左官仕上げです。 個人的に色分けをあまりせず、シンプルが好きなので白一色です。
天井は、無垢ツガ材の羽目板を施工しました。
空間の雰囲気にもよりますが、勾配の登る方向に向けて貼ると少し強い印象があるので、事務所で落ち着いた空間にしたいとの考えから向きを決めています。
事務所移転から1年後に完成した造作洗面台
実は、当初は小さな手洗いをつける事を考えていました。
そのため、窓の位置や配管の位置に制限があっての設計となりましたが、まぁまぁ そんな事感じない仕上がりになったかと思います。
外構も大切な家づくりの一部
外構の予算って、後回しにされる方がいますが、できれば家と同時に検討してください。
絵でいうところの額縁になる外構は、家がそれほどでもなくても外構が良いと良い家と感じさせる力があります。
だからって、家が適当で良いというわけではありません。
ドライテックという浸透性コンクリートが話題になっているので、類似品で施工しました。(同等の品質と施工性です)
結果として、デメリットが多々あるかなという印象でしたが、お客様宅で実験する訳にはいきませんので良い経験となりました。
植物があるとより良いですよね。
年月と共に成長し変化し、常に家を引き立ててくれます。
完成
現場を優先し後回しを続けながら、ようやく一区切りつきました。
我が家を延命させたくて改修工事をお考えの方へ
事務所の断熱改修を行いましたが、同時に耐震改修も重要ですよね。
ついつい、設備や意匠を優先させてしまいますが、その前に20年先、30年先までの事を考えて断熱と耐震を最優先にする事をお勧めします。
誰しも予算がありますので、その範囲内で考えなければならない事は当然。
と同時に
希望に見合った費用がかかるとい事も知ってください。
しかし、
断熱性は将来のランニングコストを削減してくれます。
耐震性は大切な家族の命を守ってくれます。
新築でも全く同じお話をしますが、その瞬間だけの費用で比較してはいけないのが、【家】です。
改修工事費用+(ランニングコスト+メンテナンスコスト)×住む年数
この計算式で、ご検討ください。
興味を持っていただけましたら、まずは断熱改修した事務所を体感にお越しください。
体感して直ぐ帰っていただいても大丈夫よ。
ただし、少人数の為、いきなりお越しいただいても対応できない事がほとんどですので、事前予約をお願いいたします。