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高気密高断熱は、必要?

2024.08.06: 耐震等級3

高気密高断熱って本当に必要なのでしょうか?

そんな事を考えながら、インターネット検索をされている方も多いのではないかと推察します。

私の答えは、本物の高気密高断熱は必要ですが、見せかけの高気密高断熱は不要というか危険

でも、本物と見せかけって見分けるのはとても難しいと考えています。だって、プロ側でも見せかけを本物だと、しかも真剣に思い込んでいる人がいるくらいですから。

3,4年くらい前まで、高気密高断熱は真剣に『家づくり』をおこなっている建築会社・工務店・設計事務所くらいしか情報発信していなかったんですが、高気密高断熱の知名度もあがり様々な企業が情報発信をするようになりました。

情報過多なくらいに・・・

その中には、残念ながら嘘・大げさ・紛らわしい情報も混同しており、本当に良い家を建てたいと考え真剣に情報を集めている人ほど、迷走してしまっているように感じます。

高気密高断熱が一般的になり、UA値やC値を知る人が増えた事はとても良い事で素晴らしいと思います。

思いますが・・・ 同時に懸念することもたくさんあります。

高気密高断熱の付加断熱、ネオマフォーム

高気密高断熱の懸念点

①UA値は、使う材料の数値を計算するだけで、施工品質の裏付けにはなりません。

断熱施工は丁寧に隙間なく、素材の特徴を理解して施工する必要があり、施工が悪いとUA値通りの性能は発揮できないんです。

②C値は、気密性を確認するには最適ですが、その気密性が数十年継続できる裏付けにはなりません。

気密測定の段階では良い数値が出ても、それが継続してくれないと何の意味もありませんよね。木の収縮による影響・気密に使用する部材の劣化・地震による影響 等々により数年後にC値=0.5だった数値がC値=1.0なんて可能性もあります。

③熱橋対策を考えずに施工された高気密高断熱の家は、短命になってしまいます。

熱橋とは、外気の温度を室内側に伝えてしまう場所を言います。例えば構造躯体にあるボルトなどの金物(羽子板ボルト・アンカーボルト・HD金物・ビス・釘)は、熱伝導率がとても高く、外気の影響が断熱層の中に影響を及ぼし壁内結露が発生し、壁内結露は構造躯体を腐らせてしまう事もあります。だから、ウレタンフォームを使ったりして熱の伝わりを抑える必要があります。

これは、UA値C値が上がれば上がるほどリスクが高くなりますので、性能の高い家を建てたい方は注意してください。

ちなみに付加断熱をしない場合には、構造躯体も熱橋となります。でも、木は熱伝導率が低いので壁内結露のリスクは極小です。(付加断熱をするとそれだけでも大きな熱橋対策なったりもします)

④高気密高断熱は耐震等級3とセットで考えないと、性能が下がってしまいます。

上記②でも触れましたが、家の耐震性は高気密高断熱を維持する上で重要なんです。木造住宅は地震の時に揺れます。建築基準法レベルにあたる耐震等級1では、「家ってこんなに歪むんだ~」と実感するくらいに。歪みが大きければせっかく施工した気密テープが・気密シートが・ウレタンフォームが・コーキングが損傷し気密性がなくなってしまいます。だからこそ高気密高断熱と耐震等級3はセットで考えてください。

他にもあるのですが、長文になってしまうので興味がある方はお問い合わせください。

これから家を計画する方々へ

残念ながら、まだまだ住宅業界はお施主様の未来まで考える企業は多くありません。だからこそ、自分自身でも知識武装が必要です。情報過多であり判断も難しいと思いますが、ぜひ未来まで考える企業に出会ってください。

家は完成し生活がはじまってから光熱費や維持管理費などがかかります。その未来にかかる費用まで考えて、家づくりの計画をして欲しいと願います。