2020年の5月下旬から急激に話題となっている『構造塾』ですが、そのきっかけは4月から始まった構造塾チャンネルのYouTube動画です。
チャンネルの登録者数は11月14日時点で、6640人という数字が関心の高さを裏付けていますね。
動画の内容は、木造住宅における耐震性の重要性の説明です。
日々の生活で目にするような物や状況などに例えながらお話しされているので建築のプロはもちろん、建築の事を全く知らない人でも耐震性がいかに重要かを理解できます。
そもそも『構造塾』って?
『構造塾』は一般の人向けの内容ではなく、プロ向けで建築士・工務店・ハウスメーカー・設計事務所などに構造の大切さを知り、知識を高める為の塾です。
この塾を主催されている方は、株式会社M`s(エムズ)構造設計の代表を務める佐藤実先生です。
では、なぜ構造設計事務所の代表を務める方がプロ向けにこのような活動をしているのでしょうか?
そこには、木造住宅 特に在来軸組工法に対する規制の緩さと特別待遇、そして法律に対する勘違いがあるからだと、動画を拝見して感じました。
改めて、木造住宅で耐震性が低い家が造り続けられてしまう理由を考えてみました。
耐震性が低い家が造り続けられてしまう理由
◎規制の緩さ
在来軸組工法は、2×4工法と違い建物の形状を考える上での法則的な規制がありません。その為、在来軸組工法は自由性が高いという考えで、構造的に無理があっても法律は守られているから大丈夫などと数多くの耐震性の低い家が創られ続けて来た歴史があります。
1995年の阪神淡路大震災をきっかけとして2000年に改定された耐震基準ではバランスの検討や引き抜き補強なども含められ、多少まともになってきましが・・・
◎『4号特例』という特別待遇?
木造住宅は、2階建て以下・延べ面積500㎡以下・高さ13m以下・軒の高さ9m以下の建物は、『4号建築物』として、建築士が設計した物であれば構造の建築確認審査を省略できてしまうのです。
◎建築基準法に対する勘違い
建築基準法とは、国民の生命・健康・財産の保護のため、建築部の敷地・設備・構造・用途についてその最低基準を定めた法律だという事をご存じでしょうか?
そうです。最低基準なのです。
建築基準法では、耐震等級1が義務付けされています。しかし、耐震等級1は大地震の時に逃げる時間を稼ぐ倒壊により人が下敷きにならない為の基準であり、建物を大地震から守る事は考えられていません。
それなのに、建築士でも「法律を守っていれば家は大丈夫です」って思っている人がたくさんいます。
いかがでしょうか?本当にこんな理由で・・・って絶句してしまう人もいるかもしれませんね。でもこれが現実です。
家づくり舎ファミリーでは、耐震等級3で造る事を大前提にしています。
以前書いたブログ
もご覧ください。
全国優良業者名簿について(第一弾名簿)
佐藤実先生が、YouTube動画を始めて多くの方から質問を数多くのいただく内に良い工務店を探す事の難しさを感じたそうです。そこで、構造塾に参加している工務店や設計事務所だけでなく、つながりのある会社やYouTube動画を見た工務店にも声を掛け、目安指針を決め一覧を造った名簿が、『全国優良業者名簿』になります。
名簿に掲載する為に配布いただいた掲載の必要項目はこちらです。
佐藤実先生は、構造だけではなくて断熱性・気密性も家づくりにおいてとても重要だと考えており、その部分が評価として分かりやすいように名簿を作られたようです。
そして、この名簿が発表されてから その名簿を見たという事で弊社にお問い合わせいただいた方がたくさんいらっしゃいます。
名簿に載っているから凄いという事ではありませんが、工務店を選ぶ一つの指針になっていると感じています。もう佐藤実先生の方に足を向けて寝れませんね(笑)
最新名簿は、『構造塾』家づくり応援・業者マップ
業務の登録数が増え、一新された名簿は、『構造塾』家づくり応援・業者マップと名前が変わりました。
さらに、内容が充実して見やすくなっておりますので、ご覧ください。
スーパー工務店とは
スーパー工務店という言葉を検索される方が増えているようです。このスーパー工務店という言葉を言い出した方は存じ上げませんが、YouTube動画の中で佐藤実先生も使われており、名簿の中にもスーパー工務店に該当する工務店が多くいらっしゃるようです。
そもそも、「工務店って技術力はあるけど、デザイン性・断熱性・耐震性などが弱いよね」というイメージがあると思います。
しかし、スーパー工務店はこのイメージとは違い、技術力はもちろん、設計事務所に負けないデザイン性があり、高水準の高気密高断熱を行い、耐震等級3の家を提供できる工務店の事と位置付けられています。
ちなみに、弊社がスーパー工務店に該当するかはわかりませんが、
家づくり舎ファミリーでは、
高気密高断熱(UA値=0.3w/㎡以下、C値=0.5c㎡/㎡以下)
耐震等級3(許容応力度計算により性能評価取得)
自然素材(無垢パイン床材、珪藻土左官仕上げ)
パッシブデザイン(太陽の位置を把握し、日射取得・遮蔽を考える)
他にも耐久性や職人選定、素材選定などなどを考慮し、50年後も60年後も家に愛着が持てるように設計・施工しています。
家づくりの目的
YouTube動画の影響で、耐震等級3や高気密高断熱に対して関心を持っていただく方が増えており、佐藤実先生を始めYouTube動画で本当に良い家づくりの情報を無償で提供している方々には頭が下がるばかりです。
家づくりにおいて性能は大切です。
しかし、性能は目的では無く手段だと考えます。
私たちは、家づくりの目的を、
「かけがえのない家族と一緒に過ごし、しあわせを育む為」
だと考えています。
ぜひ、長い目で家づくりの目的を家族と話し合ってください。